天から舞い降りた死神
#10 闇に墜ちる
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「…ルナ…お前……」
「いいの。いずれバレるとは思ってたから。」
「…確かに彼女のお父さんは僕たちに間接的にではあるけど酷いことをした。でもルナはそんな酷い人じゃないってことも知ってるでしょ?みんなだって。」
「もういいの。全部包み隠さず話すから。」

それから、私は文字通り全て話した。
私が魔界側の人間であること。
純粋な魔族ではないこと。
エイトを抹殺する命令を受けてこの人間界に来たこと。
実際その命令の通りエイトを半殺しにしたこと。
それから、ミーティアを攫ったのが弟だということ。

「嘘…信じられない…」
「俺たちに近付いてきたのもそれが目的かよ…」
「ええ…申し訳なかったと思ってる…」

だが魔界に居場所がなかったのもまた事実。

「…またとんでもないことに巻き込まれちまったでげすね、兄貴。」
「……。」

これ以上踏み込ませてしまったら後戻りはさせられない。

「…本当にごめんなさい。私の言葉なんて信じてもらえないかもしれないけど…姫は必ず連れ戻すから…」

お願い。
みんな逃げて。

(これ以上、私の傷を深くしないで…!)

瞳から落ちる滴。
震える声。

「…まさかだけど、逃げろ、とか言うんじゃないでしょうね。」

私は思わずゼシカを見た。

「そんなの嫌よ!兄さんは言ったわ。『自分の信じた道を進め』ってね!」
「……死ぬかも…しれないのに……それでも、いいの…?」
「逃げないよ。」

私の心を読んだかのようにエイトが言う。

「そうさ、俺たちは逃げない。夢の中とはいえ、勇者様御一行だったんだ。これくらいのこと、なんとかしてみせるさ。」

ククールがニッと笑う。

「みんな……」
「魔界、案内してくれるよね?」
「…うん」

私は頷いてしまっていた。
まだ心は揺らいでいると言うのに…
…エイト、ごめんなさい…
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