捧げ物
依空様へ相互小説
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私ミーティアはしんしんと降る雪を眺めていた。
小間使いや料理人たちは明日のパーティーの準備で忙しそう。
今日はクリスマス・イヴ。
聖なる夜の前日ということで城の中はほとんど休日状態だ。
私の帝王学の講義も休みになっているし、お父様も自室でくつろいでいるだろう。
兵士たちも、また。

窓から子供たちが雪だるまを作ったり雪合戦をして遊んでいるのが見える。
昔はよくああやってエイトと遊んだものだ。
そんなことを考えていると、ドアがノックされた。

「誰かしら?」
「エイトです。」
「どうぞ、入って。」

ガチャ

「…ふう。やっぱりここはあったかいや。」

思わず笑みがこぼれる。

「ふふ。…ねぇエイト。あなた、雪は好き?」
「うん。ミーティアとよく遊んだことも思いだすしね。」

2人で窓の外を眺める。

「…なんなら今から外行く?」
「そうね。行きましょうか。」

連れだって外に出た。
四阿まで行って腰を下ろす。

「…寒いわね。」
「そうだね。…じゃあこれあげるよ。」

彼が取り出したのは、淡いピンク色の手編みマフラー。

「まあ!素敵ね。ありがとう。…あったかいわ。」

多分エイトの顔が若干赤いのは寒さのせいだけではないはずだ。

「クリスマス・イヴだしね。ちょっと早いけど一応僕からのプレゼントってことで。」

雪遊びを楽しんでいる子供たちを見ながら、2人は暖かいひとときを過ごした。

「ミーティア、そろそろ戻ろう?ほら、こんなに冷えてる。」
「そう?もう少しだけ眺めていましょう?」
「駄目だよミーティア。君が風邪でも引いたら僕が陛下に怒られちゃうじゃないか。」
「それは大変だわ。じゃあ戻りましょうか。」

クスクスと笑いながらスッと手を差し出した。
彼がその手を取り、並んで歩き出す。
城に向かって歩いていく2人の後ろには、足跡がずっと続いていた。



→あとがき
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