頂き物
だっせん様よりクリスマスフリー
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クリスマス。
神の生誕を祝うという一日。


───生まれて初めて、恋人と過ごすクリスマスとなった。



「メィル、これ、クリスマスプレゼント」


太陽はすでに地平線のかなた。
本来、闇に包まれているはずだというのに、外はネオンの光に包まれていた。

ちょっとリッチなレストランの中、私はククールからプレゼントを貰った。

そこで私は、プレゼントを用意するのを忘れていたことに気付く。


「ありがとう、開けていい?」

けれども、プレゼントを貰ったということは素直に嬉しい。
可愛い包みを開けると、中にはクマのぬいぐるみが入っていた。


「わぁ、可愛い!ありがとう、私、大切にするね」

ククールは喜ぶ私を見て、満足そうな顔をした。

「ギャルが大量発生している中、勇気を出して買ったんだぜ」


あいつら『ぱねぇ』の一言で会話するからすげぇよな、と彼が言って、二人で笑う。


ククールがくれたのは、白いクマのぬいぐるみ。大きさ的には、その辺にある本くらい。
こんなに可愛いぬいぐるみを貰いっぱなしなのは心が痛くなる。

今から適当なものを集めて錬金術でプレゼントを作ろうか。一応、手作りということになるはず。


「ごめんなさい、私、プレゼント用意してないの…」
だが、その適当な材料というのも思い当たらないので、正直に言うしかないのだ。
顔を下げ、心臓をバクバクさせながらククールの言葉を待っていると、思いの外、優しい声音だった。


「別に気にしないぜ。そうだな、どうせメィルのことだから『貰いっぱなしは悪いから心が痛くなる』とかそんなんだろ?」

そう、まさにそんな心境なのだ。

そして、ククールは私の耳元で囁いた。


「だったらキスして?それがプレゼントってことで」
私は顔を真っ赤にしてククールを見つめた。
ああ、サンタとサタンってよく似ているが、まさに今の彼はサンタではなく、神に逆らった悪魔だ。

でも、やはり貰いっぱなしはよくない。そういうふうに育ったからなのだろう。

私はそっと触れるだけの口付けをした。
来年はちゃんと、プレゼントを買っておこうとひそかに決意した。

「メィル、窓見てみろよ」
言われ、窓に目をやると、いつの間にか雪がネオンの光で輝いていた。

「雪…」
「ホワイトクリスマスだな」

雪は、あまり好きではない。けれど、幻想的な町のおかげなのか、綺麗だと思えた。

「来年もホワイトクリスマスになるかな?」
「わからないけど、来年のクリスマスも一緒に過ごしたいね」



冀はくは───
(出来る限り、あなたのそばに…)
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